気象予報士に受かった話
チビチビと勉強していたのだが、気象予報士、受かっていた。
何を目指していたのか
もともと小さいときから「天気予報」には興味があって、将来の夢は気象予報士、なんて答えていた時代もあったと思う。
その後全く縁遠い時代を送っていたけれど、甚大な気象災害を多く目にするなかで、自分の専門である「都市」という分野の隣に、防災そして気象というものが位置していることを認識してから、気象について勉強することは総合的に意味があるのでは、と考えるようになった。
折角ならば勉強のモチベーションとして、また合格すれば一生モノの資格になるし頑張ってみようか、と気象予報士に向けて勉強をしたところ、かなり苦労してしまったものの、今回まさかの合格という結果となった。
正直、気象予報士の資格をとったことで、自分の人生を今すぐ劇的に変えるつもりは無いし、変わらないだろうと思う。だが、自分の名前にこの資格がぶら下がってくれることで、自分の今までの知見と組み合わせつつ何か面白いことが出来るんじゃないか、何か社会的な意義が果たせるのではないか、という思いは漠然と持っている(それぞれ個別の専門を持つ人は沢山いても、複数持っている人はそう多くないだろう)。資格があることで言えること、伝えられること、伝わることも沢山あるだろう。
せっかく「若い時に」時間を費やしたので、ちゃんと有効活用しないともったいない、ですもんね。
その他
- 日中に職がある状況で、日頃取り組んでいる分野と違うものを勉強するのはなかなか大変。休日に全力を割けたとしても(だいたい割けないが)、平日は1日2時間が限度で繁忙が重なったときはゼロもザラにある(他のことも勉強したいし、何より僕は弱いニンゲンなので…)。特に日中に職がある人の場合は、何事もそうだが、本気でやっても見積もりよりも数ヶ月単位で遅れてしまうことはある程度前提にしないといけないと思う。
- 試験の合格、という観点ではただ見ているだけでは意味が無いと思うのだが、毎日の天気図やレーダーを勉強しながら見ていると、段々と色々なことが見えるようになってきてオススメ。「今回の雪予報は煽りがだいぶ入ってるな〜」などが分かるようになってニヤニヤできる。
(ここからは勉強法の話:気象予報士試験それ自体に興味がある人向け)
受験歴
1回目:2019/01
一般 ○
専門 ×
2回目:2019/08
一般 免除
専門 ×
3回目:2020/01
一般 免除
専門 ○
実技 ○
勉強歴は1年半ほどだけど、中断期が結構あり、実働は1年くらい。3回目の直前3ヶ月は結構真面目に勉強していた。
2回目は(言い訳がましいけど)試験時期に見事に繁忙がぶち当たりどうしようもなかった。一般・専門は一度合格すると1年間免除で、3回目で失敗すると一般の免除の期限が切れてしまう。「今回ダメだったらもうドロップアウトかなあ…」と思っていた。
参考書・問題集
※以下はあくまで参考。個人のスペックによって必要となる時間・モノは大きく異なるはず。自分は文系出身(だが何故か理系院卒)ながら、大学受験では数2Bまでみっちりやり大学入学後も微積や統計などをやっていたこと、またセンター試験で物理選択だったことから、数学・力学の知識が必要な一般知識はかなりショートカット出来たと思う。一方、肝心の地学は中学生以来だったので、その辺りのセンスはなかった。
加えて、天気図を読む作業は地形図を読む作業と頭の使い方が似ているので、地理を勉強していた人は相性が良いと思う。
また当然ながら、天気という分野を楽しめればこの勉強は楽しいし、そうでない人は(資格を持つことにより劇的に社会的なステータスが上がるわけでもないので)さっさと止めた方が良いと思う。
◯一般知識・専門知識
改訂新版 気象予報士かんたん合格テキスト 〈学科専門知識編〉 (らくらく突破)
U-CANの気象予報士 これだけ! 一問一答&要点まとめ 第3版 (ユーキャンの資格試験シリーズ)
「かんたん合格テキスト」で知識を入れ、サブで一般気象学(なんだかんだ最後に頼りになるのは専門書)、精選問題集で練習。気象予報士業界は市場原理が働いていないからか参考書・問題集の質が低く「かんたん合格テキスト」以外は厳しそうな印象を受けた。
U-CANはアプリがあるので移動中などにポチポチやっていたが、結構効き目があった。
また、専門知識は上の書籍だけではどうしても解ききれない問題が出てしまう感があり、特に時事問題風の問題には対応できないので、気象庁の「知識・解説」のページを巡回していたが、一つ一つが中々面白く、またかなり効き目があった。
◯実技
気象予報士かんたん合格テキスト 〈実技編〉 (らくらく突破)
読んでスッキリ! 解いてスッキリ! 気象予報士実技試験合格テキスト&問題集
一番最初に実技の様子を掴むには上記2冊がちょうど良かった。が、結局過去問を解くのと同じなので、すっ飛ばしても良かったかもしれない。(実技特有の知識はよく整理されているので持っておく分は良いはず)
後はひたすらに過去問を解いていたのだが、実技の過去問問題集は市場原理が働いていないのかとにかく高い。下記のサイトで過去10年分以上(1年に2回実施され、実技は各回2題出題されるので、問題数は年数×2回×2題)の問題と簡単な解説が掲載されており、ひたすらに活用させてもらっていた。
印刷するのが勿体ない…と思って最初はiPadで取り組んでいたものの、これはあまり良くなくて、プリンターを購入して、黒のインクカートリッジをひたすらに消費させながら、紙でゴリゴリやったのが良かったと思う(環境に悪くてスミマセン)。